「大丈夫です」


けれど、刹那くんはそれをさくっと断って。

私をひょいっと抱き上げたからびっくり。


「ひゃっ……!」


──お姫様抱っこで。


「あらあら、必要ないみたいね」


笑いながら、手にした松葉杖を引っ込める看護師さん。


「せ、刹那くん、重いからっ!」

「俺のことナめてんの? これのどこが重いの?」


いやっ、そうじゃなくて、……って、もちろんそれもあるけど!

このまま外まで行くのは、恥ずかしすぎるっ。

降ろしてーって足をバタバタさせると、看護師さんに「安静に!」って怒られるし。


「な? 動かしたらだめだって」


刹那くんは看護師さんまで味方につけて、ニヤリと笑う。

うーーーー。
もう何も言えなくなっちゃう私。