……ほら、また余計な心配かけちゃった。
ちがうのに。
だから、正直に言わなきゃって思った。
「ちがうの……」
「え……?」
「……ドキドキしちゃって………眠れないの……」
か細い声が、闇に消えていく。
うわぁ、恥ずかしい。
たぶん伝わっちゃった。ドキドキの原因が。
病室っていう狭い空間に刹那くんとふたりきり。
意識しないってほうがムリで、眠れなくなっちゃったんだ。
「……っ、」
息をのむ様な声が聞こえた直後、刹那くんがベッドを降りたのがわかった。
スリッパをはいて、近づいてくる。
「んな可愛いこと言って、ただで済むと思ってる?」
刹那くんのシルエットが、暗闇に慣れた目に浮かぶ。手を伸ばせば届いちゃう距離で。
どくんっ……どくんっ……。
うわあ……さっきよりも心臓の音、激しくなっちゃった。



