そっと、唇に刹那くんの人差し指が乗せられる。

優しいまなざしに思わず涙が流れると、温かい指で拭ってくれた。

そして、ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。

……あったかい。

ようやく、心が落ち着いた。


てっきり宿舎の医務室だと思っていたここは病院で。


診察の結果、左足の甲にヒビが入っていることもわかり。


「明日帰ってから、地元の病院で改めて治療に入ったほうがいいでしょう」


お医者さんにそう言われ、今日は一晩ここに入院することに。

落ちたときの衝撃にくわえ、そのあと無理をして動き回ったこともよくなかったみたい。

足の絶対安静を言い渡され、ベッドからも動けない。