なんだかとっても怖い夢を見ていた。

パッと開けた視界に温かい光が映って、一瞬わけがわからなかったけど……夢か、とホッとして。

足にズキズキと痛みを感じ、全部思い出す。

そうだ。

私、小林さんたちに騙されて、森の中で遭難したんだ……。

足だけじゃなくて胸もズキズキ痛くなってきた。

今までもつらいことがあったけど、今回のはあまりにもショックが大きい。


「寧々」


優しい声が耳に届いた。

目に映ったのは、愛しい愛しい人。


「刹那、くん……。……わ、わたし……」


顔を見たら、胸が詰まって言葉にならなくなっちゃった。


「なにも言わなくていいよ」