「なに隠してんだよ」


白樺が声を放てば、顔面蒼白になる。

頭脳トップのエクセレントで学園長の息子のくせに、まるでヤクザだ。


「来栖どこにやった」

「ど、どこって……」

「しらばっくれんなよ!」


ざわついていたフロアは、一気に静まり返る。

すっかりおびえた小林は、唇が震えていた。

これじゃあ吐かせるものも、てこずりそうだ。


「俺が話す」


興奮している白樺の肩をつかんで後ろに下げ、小林と目を合わせた。

小林は、まだおびえたまま。


「寧々と同じ班だったんだよな」


湧き上がる怒りをなんとか抑え、口を開いた。 


「う、うん……」

「一緒にゴールしてきたんだよな」

「えっと……来栖さん……まだ戻ってきてないの?」

「質問に答えてくれないか?」