寧々と一緒のやつは、小林と池内ということは確認していた。

ふたりは、琴宮派。もう嫌な予感しかしない。


「えーーーーーっ!?」
「うそおっ!」


就寝前の女子フロアは、大騒ぎになる。

男子進入禁止のこのエリアに、エクセレントが現れて一体何事だと、あちこちのドアが開き、女子がわんさか廊下にあふれ出てきた。


「呼んでくるね」


佐藤が部屋のチャイムを押して、小林が顔を出す。

俺の顔を見ると、サッと顔色を変えた。

それは、エクセレントがここにいることに驚いたのではなく、"俺"、がいたから。


──疑惑が確信へと変わる。


今までだったら、俺の顔を見たら目を輝かせてたくせに。

締めようとしたドアの隙間に足を突っ込んだのは白樺だった。

「ひっ」と声を上げた小林を無視して、ドアをこじ開ける。