「小鳥遊はそこじゃないだろ」
私より先に突っ込んだのは刹那くん。
腕を引っ張る刹那くんを恨めしそうに見上げる。
「空いてんだからいいじゃねえか」
「俺だって座りたいの我慢してんだよ。だからお前も我慢しろ」
なんて言うから、ドキッとしちゃう。
「寧々はどう思う?」
「えっと……一応決まってる席に座ったほうがいいかと……」
私がそう言うと渋々席を立ったけど、
「だったら俺が座るー」
その隙にお尻をねじ込ませてきたのは椿くん。
まるで椅子取りゲームだ。
だけど、
「ふざけるな」
「お前は補助席にでも座っとけ!」
またもや秒殺!
椿くん、いつも不憫な扱いされちゃって……。
それでもいつもニコニコ明るいから、みんなも椿くんのキャラをわかったうえでそうしてるんだろうな。
それにしても、私の隣に座ったって楽しいことはないのに。
結局、刹那くんと椿くん。琉夏くんと白樺くんが隣あって座っていた。