夏休みには、もう一つのイベントがある。

夏休みの最終週に行われる2泊3日で行く宿泊学習──通称サマーキャンプ。

刹那くんにから、告白の返事をきかせてと言われた行事だ。

場所は、県外にある学園の持つ高原の避暑地。

三かは希望者となっているけど、ほとんどの生徒が参加する人気の行事なんだって。

友達がいない私にとっては、少し気づまりだけど、エクセレントだから参加しないわけにはいかないよね。


そしてやってきたサマーキャンプ当日。

朝早くにやって来た観光バスに、クラスごとに乗り込む。

私の席の隣は空席。

女子は奇数だから、私はここでもひとり。

まあ、しょうがないよね。

なのに


「えっ?」


隣に人の気配を感じれば、そこには琉夏くん。

俺の席はここですって顔で、長い足を組んで座っていた。