だからコンビニで買ってくるご飯ばかり食べていたけれど、荒れた食生活を送る琉夏くんを心配に思ったお父さんが、ここへの進学を進めたいみたい。

寮の食事はバイキング形式で、しかもとっても美味しい。琉夏くんにとってもそれはいいことで、偏っていた食生活から解放されたらしい。


「……ガキだよな、俺」


エンピツを置いた気配を感じ、私も体の力を抜いて琉夏くんに視線を送る。

もう、なにも言われなかった。

琉夏くんは、少し目線を上げて遠い目をしていた。

こんな琉夏くんを見るのは初めてだ。


「そんなこと、ないよ……」


私にはない経験だから、軽々しく言えないけど。それは経験した人にしかわからないことで、常識とか、理屈とか、そういうんじゃないんだと思う。

気づけば、私の頬には温かいものが流れていた。