拍手が落ち着くと琴宮さんは私の前まで歩みより、キレイな白い手を差し伸べた。
そうだ。ローズの証、銀色のリボンを明け渡すときたきたんだ。
ここの銀色のリボンともお別れか。
可愛くて気に入ってたのに。
琴宮さんは、自分の赤いリボンをすでにはぎ取り待っている。
胸元に手をかけ、リボンを外そうとしたその時だった。
──バァァァン!
大きな音が響き、明かりが落ちた座席に光が差し込んだ。
ここから一番遠い、正面奥の扉が開いたのだ。
「来た」
背後で刹那くんが小さくつぶやいた。
なにが来たの……?
「待て。まだ投票は終わってない」
ゆっくり階段を下りながら、こちらへ近づいてい来る人影。



