みんなだって、私が勝てるとは思ってないでしょう?


「負ける気でいんの?」


語彙を強めた刹那くん。……目線が下がる。


「それは……」


勝ちたいけど、勝てる確率はほとんどないよ。

応援してくれる人が増えたのは事実だけど、そこまでは……。


「刹那も怒るなって。ま、食おうぜ、景気づけに」


パン──と手を叩いて、琉夏くんがスプーンを手に取った。

なんだか、琉夏くんらしくない。

景気づけ……って、


「はあ?」


明らかに不機嫌な色を隠さない刹那くん。

なんだか、ふたりの間がバチバチしているのは気のせい……?


「んもー! 朝からそんな顔しないでスマイルスマイル」


にーって笑った椿くんにつられて、私も笑った。