キャンパスからあげるたびにするどい瞳で睨みつけられるようなその目に、ゾクゾクする。

琉夏くんが琉夏くんじゃないみたいで、落ち着かない。

私は沈黙に耐えられなくて口を開いた。


「あ、あの」

「んー」


手を止めずに返すそれは、聞いてるんだか聞いてないんだかわからない生返事。


「あの……琉夏くん、最近女の子と遊んでないの?」

「まあね」

「そ、そう……」


あ、会話終わっちゃった。

中途半端にこんな話題振って、自爆したかも、と思っていると、


「なに、俺が女と遊んでた方がいい?」

「いやっ、そんなことはないよ。うん、そうじゃない方がいい、と思う……」

「ふーん……アンタがそう言うなら、そうするよ」


手を止めずに、サラッと言った言葉に首を傾げた。