うう……。


「いいから、とにかくそこ座ってよ」


示されたのはベッドの上。

え、ベッド?

再びよみがえる警戒心。

だけど、ヌードって勘違いしちゃったのも気まずいし、今更ベッドだからって、拒否してもまたなにか突っ込まれそうだから大人しく座った。


琉夏くんはイーゼルの前に置かれた椅子に座り、すぐにさらさらと鉛筆が画用紙の上を滑る音だけが聞こえてきた。

絵のモデルをするのは初めて。

しかも、単なる美術の授業でもなく、もうプロと遜色ないくらい才能がある人に描いてもらうなんて、緊張しちゃう。

私がモデルでいいのかな。


少し長い前髪の間から覗く、その瞳の鋭さにドキッとする。

こんな目……見たことない。