「えっ、あの」


──バタン。

そして、閉まる琉夏くんの部屋のドア。

なんで先に行っちゃうかな……。

もうっ! って思いながら後を追ってドアをノックした。


「うわあっ」


すると、すぐそこで待っていたのか、開いたドアから琉夏くんの手が伸びてきて、転がるように部屋にひきづりこまれる。

入って、驚いた。

今度は違う意味での感嘆が出た。


「うわあ……」


壁には奇抜な色使いの幾何学模様や、女の子のヌードをデッサンしたものが無造作に画鋲刺しにされていたから。

これ、全部琉夏くんが描いたのかな?

思わず近寄ってガン見。

女の人のハダカを見るなんて、イラストだって普段なら恥ずかしいはずなのに、全然いやらしさとかがないの。

芸術って、こういうことなんだ。