みんなで食べられるのはいいことだけど……。


「女の子を抱きにいかない琉夏なんて琉夏じゃない!」

「俺を何だと思ってんだよ」


琉夏くんの視線は上がることはない。

いつものように気だるそうな態度で、フォークとナイフを動かし続ける。


「そりゃー……んんっ」


私の目を見て、咳払いした椿くんは言葉を飲み込んだ。

……だいたい言いたいことは分かってます。

今更にごしたところで、って気もするけど。


「……まさかお前」


ぼぞっとつぶやいた刹那くんの声を聞き逃さなかった。

ん?
まさかって?

チラッと見ると、ものすごい怖い顔で琉夏くんをにらんでるように見えた。

琉夏くんは聞こえているのかいないのか、そんな刹那くんはフル無視で。

まさか、なんなんだろう……?

私にはさっぱりわからなかった。