「で、でもっ、エクセレントが手を貸すのは選挙法違反だよっ」
琴宮さん側の誰かがそう叫ぶと、
「落としたものを拾ってあげただけで、手を貸すっていう? そもそも、エクセレントの俺が、見て見ぬふりする方がどうかと思うけど」
迷いなく堂々と言い放つ姿に、とたんに貝になったかのように揃って口を閉ざす彼女たち。
完全に、琉夏くんの流れに持って行ってしまう。
それどころか、そんな態度に顔を赤らめている女の子が続出。……さすが、恋の伝道師。みんな、琉夏くんの魔法にかかっちゃったみたい。
いつにない琉夏くんの紳士な態度に、私は目を丸くするだけ。
「じ、時間ないから行くわよ」
そんな中、琉夏くんの魔法にかかってない琴宮さんがじれったそうに促す。
琴宮さんの一言で、一行はハッとしたようにゾロゾロと去って行った。
「あの、ありがとう」
カラカラに乾いた口は、お礼を言うのに少しもたついてしまった。
だって、琉夏くんが私の味方をしてくれるなんて。



