余ったものは、相変わらずエクセレントルームでふたりが食べてくれるんだ。


「それはそれとして、これも食う~」


嬉しそうな椿くんは私に向かって口を開けた。


「えっ……」


こ、これは……。
あーんしてってこと?

それは結構恥ずかしい。


「早くーーー」


でもニコニコしながら待っている椿くんを見ていたら、母性がくすぐられてきて。

特別な意味があるわけじゃないからいいよね、なんて納得してその口に入れようとしら。

え?

寸前で消えたミルクレープ。

いや、正しくはちゃんと口の中に入ったんだけど……

私と椿くんの目線は、ゆっくりと同じ方に流れて。


「えええっ!?」


そこでモグモグと口を動かしているのは、刹那くんだった。


「おいっ、何すんだよ」
「刹那くん!?」