「さすがだなあ……」


誰かが言っていたように、刹那くんは堂々の1位だった。しかも5教科で500点満点。

結構ハイレベルだったのに、一体頭のなか、どうなってるんだろう。

あんなに秀才なのに、たまに変なスイッチか入っちゃうのも不思議……

思い出せば、勝手にドキドキと大きく胸打つ心臓。

刹那くんのことを考えると、胸がぎゅーって苦しくなるの。

やっぱりこれって、恋?
人を好きになる気持ちって、こういうことなの?

……はっ。

どこかへ飛んじゃってたみたい。

気づくとガヤガヤした中に埋もれていて、慌てて顔を叩いた。

刹那くんの1位から順に目線を下げていくと、5位のところで自分の名前を見つけた。女子では1位。

ほっ。一安心。


「白樺くん、あいかわらず秀才なんだね」

「最近授業出てるって話じゃん」

「えー、そうなの?」