私は見てないふりをして、ちょうどピーと音を立てて止まったオーブンを開けた。
さらにいい匂いが広がって、ふっくら膨らんだシュー生地がお目見えした。
完全にさましてから生地の上部をカットして、あらかじめ作っておいたカスタードクリームを絞り入れる。
上に粉糖をさらさらと振りかけたら、はい完成。
「うまそうだな」
「よかったら、どうぞ」
「マジで? じゃあいただきます」
椿くんのアメも食べてなかったし、甘いものは苦手なのかと思ったけど、ためらいもせずにシュークリームに手を伸ばしてくれる刹那くん。
モグモグモグ……。
じいっと見入っちゃう。
「うん、うまい。最高」
目を開いて親指を立てる姿に、ほっと胸をなでおろした。



