すでにたくさんの支持者がいる琴宮さんとは、戦う前から負けてる。琉夏くんの言うようにまさに負け戦。
「寧々」
咎めるような声に、ゆっくり顔を上げた。
そこには、真剣なまなざしの刹那くん。
「寧々は学園長が直々に指名したローズだ。もちろん、表上の理由になっている、公平性のために今年は特例を使用したのかもしれないが、それだけ寧々がローズに相応しかったってことだ」
「……っ、」
「もっと堂々としてていい」
刹那くん……。
「弱気になったら終わりだ。きっと打つ手はある考えよう」
こぼれ落ちそうになる涙をぐっとこらえ、力強くうなずく。
刹那くんも、それでいいんだというようにうなずいてくれて……。