びっくりするようなことが起きたのは、翌日の朝。

ホームルームの最中。


「今日も全員いるなー」


いつものように担任がそう声をかけた時だった。


ピピピッ。

教室の施錠が外された音がして。

───バタンッ。

教室の後ろのドアが勢いよく開いた。

何事かと、みんなが一斉にそっちへ顔をふる。


「え、うそぉ……」

「マジで?」


ざわつく教室。
でも、なぜかひそひそと。


「俺の席、どこ」


入って来た人物は近くにいた男子に声をかける。

男子は、少し顔を引きつらせながら無言で一番後ろの席を指さした。あの、いつも空席だったところを。

そして彼は椅子を引いて座る。

そう、まるで自分の席のように……って。


「お、おお、白樺……よく来たな……」