「あのね、来てほしいところがあって」

「?」


よくわからないけど、松島さんについていくことにした。

校舎を出て、どこかへずんずん歩いていく。

石畳で作られた小径を抜けて、もっと奥。

まだ敷地内に詳しくないから、この先になにがあるのか見当もつかない。


「あの、どこまでいくの?」

「……」


答えてくれない。


嫌な予感がする……と思った時には手遅れだった。

建物の角を曲がると、そこには、琴宮さんといつも彼女と一緒にいる女の子数人がいた。


「ご苦労様」


……そういう、ことか。

松島さんはただ、琴宮さんたちに言われただけのよう。

私とは目を合わせないようにして、申し訳なさそうに、小さくなってうつむいていた。