「でしょ~?」
「わかるわかるー」
大きい声で話す彼女たちとすれ違う。
……よかった。気づかれなかった。
と思ったのもつかの間。
「ねえ、来栖さん」
投げられた声に、ビクッと背中がはねた。
ゆっくり振り向くと、彼女たちは私の方を見ていた。
「今、あの部屋から出てきたわよね」
琴宮さんが指をさしたのは、さっきまで私がいたエクセレントルーム。
話に夢中だと思っていけれど、しっかり見られていたみたい。
私は、小さくうなずいた。
「えー、ちゃっかりエクセレントルームなんて使ってんだ」
「棚ぼたでローズになっておきながら、まんざらでもないって感じ~?」
そう言って、きゃはははと笑う彼女たち。



