「さあ……」
「寧々ちゃん、部屋に行って様子見てきてよ」
「えっ? 私?」
「そう。もし寝てたら遅刻だよー」
脅すように言って、むしゃむしゃパンをほおばる椿くん。まったく席を立つ気配はない。
そりゃあ……遅刻したら困るけど。
私が起こしにいく理由はどこにもないよね?
琉夏くんに目を向けると、行けよって感じに顎を突き出してくる。
……行くしかないみたい。
ナプキンで口元を拭いて、ゆっくり立ち上がった。
刹那くんの部屋は、私の部屋の隣。
だけど当然入ったことはないし、男の子の部屋を訪ねるのは緊張する。
しかも、刹那くんの部屋となればなおさら。
───コンコン。
ノックをしたけど、ドアの向こうは静まり返って返事はない。



