ほら。椿くんがこの手の話に食いつかないわけない。
身を乗り出して、興味津々に私と琉夏くんを交互に見る。
……私の口からは言えません。
黙々と、お皿だけを見つめて食事を口へ運ぶ。
「昨日さ、美術室でヌードのデッサンしてたら入り口からずっと見てたんだよ」
「またヌード描いてたの? 学校でそんなことすんのやめたら~?」
「そんなのって、芸術をバカにすんなよ。だったら、ここに連れてきていいのか?」
「いいわけないじゃん。琉夏の場合、純粋に絵のモデルだけで終わらないんだから」
やっぱり!?
意味深に笑う琉夏くんと目が合って、私はぱっとそらす。
「てかさ、刹那は?」
椿くんは、刹那くんの席に目をやる。
私も思ってたんだ。
いつもは私の次にはやってくるのに、未だ空席のまま。



