気だるそうに言い、履きつぶした上履きで近づき、足元の布を直していく。
普段、乱暴な動作の多い彼からは想像もつかないくらい、丁寧に。
へぇ……。
さすが芸術部門第1位になるくらい。絵を描くことに関しては、ふるまいも一流なんだ。
琉夏くんの意外な一面に、驚きを隠せずにいたんだけど。
もっとびっくりしたのはその直後。
───モデルの女の子と、唇を重ねたのだ。
うっそ……!
私、唖然。
人のキスシーンなんて、ドラマ以外で初めて見たよ……っ!
「……ん……ふっ……」
甘ったるい女の子の吐息が響く美術室。
ちがう意味で、目が離せなくなる。
……この女の子は琉夏くんの彼女なのかな?
ちゅっ、と大きな音を響かせて琉夏くんが顔を離すと、女の子は名残惜しそうに琉夏くんの手を揺さぶる。



