美術室の前を通ったとき、開けられた扉に引かれていたカーテンが風にふわっと揺れた。

その時、一瞬なかが見えたんだけど。

ええっ!?

……今のは、なあに?
ありえないものが見えたような……。

目をこすってから、そーっとカーテンをめくってみた。


「……っ!」


そこには煌びやかなソファーに横たわった女の子がいた。

……腰から下には、シルクみたいな布がかけられているけど。

問題はその上。

一糸まとわぬ姿で横たわっていたのだ。

左手は前に、右手は頭の上にあげてポーズをとっている。

な、なにごと!?


「目線もっと上。少し遠くを見る感じ」


ん?
聞こえたのは男の子の声。

どこか聞き覚えのあるんだけど……誰だっけ……?

そのとき、パッと頭の中にひとりの男の子顔が浮かんだ。


「……琉夏くん?」