「……俺が昼メシを食うのがそんなにうれしいのかよ」
「はい!」
食事は大事。
私のおせっかいがきっかけで食べるようになってくれるなら、おせっかいした甲斐もある。
「変なヤツ……」
鼻で笑ったような言い方だったけど、最初みたいな怖さはなくて。
意外といい人なのかな? って思ったりした。
「アンタは……食ったのか?」
「へ……?」
「昨日はそこでひとりで食ってただろ」
アゴをベンチの方へ突き出す。
昨日、私があそこで食べたこと知ってたんだ。
「食べましたよ。昨日は……編入してきたばかりで友達がまだいなくて……」
そう言うと「じゃあ、もう友達ができたのか」って、納得したようにうなずくから、
「友だちは……まだ、いないんですけど……」



