余計なことは聞かない方がいいと思い、それには触れずランチクロスを広げた。
このままじゃ、きっと今日もお昼抜きなんだろう。
「……」
無言のまま向けられた視線の先にあるのはサンドイッチ。
それから、視線がゆっくり私に向けられた。
髪の間からのぞく瞳は、冷たくて、鋭くて……。
まるで、暗闇のなかから狼に睨まれているよう。
子どもなら、絶対に泣き出しちゃう自信があるよ。
「じゃ、じゃあっ……」
子どもじゃないけど、そんな目で見られたらやっぱり怖くて。
そっと置いて、立ち上がろうとすると。
彼は反対がわに置いてあった何かを取って私に手渡した。
「……ん」
押し付けたように渡されたそれは、昨日おかずを乗せていたタッパーの蓋。



