──ピピピッー。
甘い空間に響いた電子音。
聞きなれない音に驚いていると、隣ではガックリ頭を垂れている刹那くん。
えっ、と思っている間にドアが開いて、
「おっと……!」
姿を見せたのは椿くんで、私たちを見て勢いよく入ってこようとした体にブレーキをかける。
私はパッと手を離した。
「もしかして邪魔だった?」
「もしかしなくてもな」
素直にそう口にする彼に、恥ずかしさなのか嬉しさなのかわからない気持ちがこみあげる。
「刹那、ぬけがけすんなって。だったら俺もここで食えばよかったー」
「大勢いたら寧々が気を使ってゆっくり休めないだろ。椿は明日からも食堂で食えよ」
「はー? なに寧々ちゃん独り占めしようとしてんだよ」
独り占めなんてっ。
ふたりの会話を聞いてるだけで、顔から火が出そうで、
「じゃ、じゃあ、私はこれでっ……」
ランチクロスをつかんで、エクセレントルームを出て行った。



