「よく眠れた?」
カップから口を話して、チラリと視線をあげるそのしぐさまで絵になっている。
「う、うん」
大ウソだけど。
それも、刹那くんのせいで、とは言えない。
「おっはよ~」
朝からそこ抜けに明るい椿くんがやってくれば、ただでさえ陽の光がたっぷり差し込むこの部屋が数段明るくなる。
「うーっす」
続けて気だるげに入って来た琉夏くんは、頭をガシガシとかきながらドカッと椅子に座る。
乱れた髪さえも計算されたかのように美しいのは、生まれ持った美的センスの違い……?
「ふわあ」
大あくびをしているのを見ると、刹那くんの言った通り、一晩寝たらケロッとするっていうのはほんとなのかも。
これが通常運転だと思えば、そんな態度さえ、今はほっとする。