「寧々の上、気持ちいい」


耳元で紡がれる甘美な声。

おまけに、刹那くんの顔は至近距離でみるには刺激が強すぎて、


「刹那……くん……」


そんなこと言われたら、頭がおかしくなりそうだよ。


刹那くんはさっきよりも私の体に乗りかかり、完全に覆いかぶさる格好になる。

体重はかけられてなくて、私と刹那くんの間にある隙間。

その隙間を埋めるように、ゆっくり体重を乗せてくる。

ピタリ、と重なるからだ。

お風呂上がりの温かい体温が、私の体に伝わる。

抵抗することもできたのに、澄んだ瞳に引き寄せられるように動けなくなって……。


「ん?」


そのとき、刹那くんの目が何かをとらえて。

近づてくるそれに、ぎゅっと目を閉じた。

目元に触れる刹那くんの──唇。