家具や床はこげ茶色で統一されていて、とても落ち着いた雰囲気なのに、気持ちは落ち着かない。

これからの学校生活もそうだし、ここは男の子ばかりだし、琉夏くんとは気づまりだし。


クッションに顔をうずめて、じたばたしていると、

───ん?

どこからか、かすかに声が聞こえたきがして。

むく、と頭をあげる。


「……誰かいないのかー」


やっぱり!

この声は、刹那くん? 

少し反響している声は……もしかしてお風呂場!?


「おーい」


どうしようっ。

琉夏くんはいないし、椿くんは電話中。

だけど、さすがに私はお風呂場にはいけないよっ。


「誰かー」


それでも呼び続ける声。

緊急事態だったら大変だし……聞いちゃったからには、無視出来なくてとりあえずお風呂場へ向かう。