美雪ちゃんが指さす方を見れば。 5時間目は教室移動なのか、ゾロゾロできてきた人の波に乗って、ひときわ目立つミルクティー色の頭を見つけた。 顔は見えないけど、間違いない。 「相変わらずモテてるね~」 ううっ。 伊緒くんの周りには、女の子がたくさん群がっていたんだ。 しかも。 またあの子! 入学式と一緒で、髪をくりんぐりんに巻いた女の子が伊緒くんの隣をしっかりキープしていたの。 「ほら、目に毒だから教室に入るよ」 私は、美雪ちゃんに強制的に教室の中へ連れ戻された。