恐る恐る、伊緒くんの背中に手を回した。


「こ、こう?」


ドキドキしながら伝えれば、嬉しそうに笑う伊緒くんの呼吸が体に振動する。

チンちゃんとは違って、骨ばった体。

いちばん違うのは……温かいこと。


「このままさ」


少し曇った声。


「……したい」

「……ん?」


よく聞こえなくって聞き返す。


「……ダメ?」

「えっと、なにを?」

「はーーーー……」


まだ何も答えてないのに、あきらめたのか盛大なため息を吐く。

そんな、ちゃんと言ってくれないとわからないのに……。


「じゃあ、これで我慢するよ」


すると、この間みたいなチクリとした痛みが耳の下に走った。


「……っ!」


二度目だからもうわかる。


「い、伊緒くんっ!?」


また、アレを付けられちゃったの?

真柴くんに指摘されてすごく恥ずかしかった……キスマーク。


これで我慢て……一体伊緒くんは、本当は何をしたかったんだろう……。