「ほんとモモってうまそうに食うよな」 伊緒くんは、そんな私を笑いながら見る。 「だってほんとに美味しいんだもん。伊緒くん、絶対にいい主夫になるよね」 「は?」 「あっ、主夫って、夫って書く方ね!」 指で目の前に「夫」と書いた。 私のお父さんは家事がなんにもできないから、単身赴任がむりだったわけで。 伊緒くんみたいになんでもできる人って、やっぱりステキ! 「じゃあ、嫁に来る?」 「へっ!?」 「俺の嫁」 「……」