で、でも……!人生の中で久遠くんを抱っこできて、よかった……!!


「……うわ、すごい結構簡単に持ち上がるのね」

「それはようちゃんが軽いからだよ」


横では陽奈ちゃんが颯くんを抱っこしていた。


「天音……!!な、なんかすごいわねこれ」

「ね……!!いつもと逆だから、ちょっと面白い……!!」

「わかるわそれ!」

「だよねだよね……!!」


やっぱり複雑だけど、嬉しい……!



「あ!じゃあ次は、お膝に乗っけてみない?」

「いいわねそれ!」


ソファに座り、膝の上に久遠くんを乗せる。


そして、ぎゅっと抱きしめた。


「わぁ……!!いつも久遠くんはこんな感じなんだね!」

「特等席でしょ?」


久遠くんは誇らしげにそう言った。


「ふふっ、なんだかいつも包まれてるからお返しができて嬉しいな!」


いつも久遠くんにこうしてもらえると、とっても安心できるから……!!



それから、私たちは面白そうな映画を観ているといい時間が経ち、身体は元に戻った。


ポンッ


「あっ……!も、戻った!!」

「ふふっ、天音が膝にいる。可愛い」

「あ、あはは……私、久遠くんのこと抱っこできてよかった……!!」

「僕も抱っこしてもらえて嬉しかったよ」


にこにこと微笑んでくれる久遠くんを見て、私までにこにこしてしまった。