「……本当にっ……いまから暴走族の先輩方の襲撃を抑えにいかなきゃ行かなくて、焦ってたんですっ……」


サラッと恐ろしい言葉を吐いた女。


「は、はぁ?」

な、なに言ってんだコイツ……。


「……あっ、メガネ、ヒビ入ってる……」

ふと気付いたまんまるのメガネ。


そこには少しヒビが入っていた。


「あっ……本当だっ……」

「見えますか?」

「はい!私視力いいんで!」


にこにこしながらメガネをさりげなく取った女。


その容姿に、俺は驚きが隠せなかった。

……それは、まるで天使ような容姿をしていたのだ。


綺麗な瞳に髪に声、そして神がひとつひとつ丁寧に作り上げただろうその顔面のパーツパーツ。


身長はものすごくチビだけれど、スタイルがすごくいいと思った。


「……じゃあなんでメガネを?」


気になったことを、容姿に驚いたことを誤魔化すかのように聞く。


「えっと……その方が生徒会長っぽい雰囲気でるよって先輩たちにっ……」

「……生徒会長?」


よく見てみれば、これは宝生の制服……。


「はい!宝生学園28代目生徒会長、日向天音と言います!」


日向、天音……。

ジューと焼き付くように頭の記憶に仕舞い込まれた。