「堕天使はねー上杉久遠だよ」

「え?」


久遠……?


「おん。天音ちゃんが天使で久遠が堕天使。」

「なんで堕天使なの?」


あんなヤツただの悪魔だろ。


「優しくする相手には優しくする、天使な部分もあるけど、最低だから堕天使的な?」

「へぇ……」


たしかに……天音ちゃんが前に、天使に会ったっていう話をしてきた時に……。

薄々勘づいてたけどそれが久遠で、その見た目が天使みたいだったんだろう。


だから、そのあだ名には納得できる。


「ふーん。あ、じゃあ僕は?」

「たしか……真っ白王子じゃなかったっけ山野」

「合ってるぞー」


真っ白王子?なんだそれ、ダサい。


「なんか腹黒くなさそうだからって理由で女子がつけてたなー」

「マジかよ」


自分でいうのもなんだけど……僕、結構の腹黒だと思う。


「いま俺腹黒って思っただろ」

「はははっ」

「この温和腹黒王子」

「お前は腹黒悪魔だな」


たしかに……それが僕には合ってるかもしれない。


「はははっ、じゃあ、悪魔が天使を奪うとしますか」


———堕天使様から。