ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「……すごい熱烈な愛の告白だね」

 中峰は真珠が思ったのと同じことを言って、目を伏せた。

「……うん。
 なんか吹っ切れたよ。

 帰るよ、日本に!」

 中峰は、そのまま引き返そうとする。

 ええっ!?
 十一時間くらいかけて、ここまで来たのにっ!?
と二人が引き止めようとしたとき、

「まあまあ、せっかくですから、観光でもされて帰ってはどうですか?」
という声が後ろからした。

 振り返ると、侑李が立っていた。

「私がご案内しますよ、ドバイの街。
 私が忙しいときは、七十代、八十代、九十代のうちの社員がご一緒しますから」

 そう言って、使える秘書、未島侑李は微笑んだ

「……九十代の人が増えてますね」
と真珠は呟く。