夜風のような君に恋をした

翌日も、私は朝からイライラしていた。

何をしていても、高架で会った彼の顔がちらついて、落ち着かない。

電車もわざと遅らせて、彼に会わないようにした。

そのせいで学校に遅刻しかけたけど、そんなことを気にする余裕すらなかった。

その、さらに翌日。

お昼休み、ざわめく教室内で、ひとりパラパラと単語帳を捲る。

今日は塾の定期テストがあるのに、気持ちが落ち着かなくて、昨夜まったく勉強できなかったのだ。

もう、最悪だ。

「雨月ちゃん!」

そこに、ふんわりボブヘアを揺らしながら、芽衣が現れた。

「また勉強してるの? えらい!」

芽衣はそう言いながら、前の席の椅子を引いて、私と向かい合うようにして座る。

「ねえねえ、雨月ちゃん、昨日どうして返事くれなかったの?」