夜風のような君に恋をした

期待のこもった眼差しで、じっと私を見つめている目の前の彼も、そのことをわかっているのだろう。

「冬夜」

そう名を呼ぶと、余裕の笑みから一転して、冬夜は泣きそうな顔をした。

「……うん」

「あのとき、助かったんだね」

「そう。雨月と一輝が助けてくれたから」

そう言って冬夜は、泣きそうな顔のまま私に近づくと、手を伸ばして頬に触れてきた。

冬夜の掌の温かさに、今度は私の方が泣きそうになる。

私は目を閉じ、素直に彼の温もりに身をゆだねた。

温かくて、脈打っていて、こんなにもしっかり――彼は生きている。

色とりどりのネオンが星屑のように煌めく夜の街で、埋もれることなく、地面にしっかりと足をつけて生きている。