夜風のような君に恋をした

ボサボサに伸びていた茶色の髪は、短くカットされている。

無精ひげだってなくなって、ガリガリだった体型がややがっちりしていた。

そのうえ、オフホワイトのパーカーにデニム、黒のハイカットのスニーカーという、見慣れない格好をしている。

まるで今どきの大学生みたいな、ラフでおしゃれな雰囲気だった。

お兄ちゃんのようでお兄ちゃんじゃないような、不思議な人。

「おい、なんで何も答えないんだよ? 腹でも痛いのか?」

お兄ちゃんは、いよいよ訝しげに眉をしかめ、私と目線が合うようにしゃがみ込んだ。

顔がほんのり赤いから、どうやら酔っているみたい。

私が泣いているのに気づいていないのも、おそらく酔っているせいだろう。