夜風のような君に恋をした

――でも、運命は変えられないとしたら?

一直線に冬夜めがけて駆けてくるトラックを見ながら、そんな考えに至って、背筋がぞっと震えた。

――運命が変えられない?

お兄ちゃんの死んだ魚のような目と、青々とした藤棚の下で悲しげに物語る宵くんの横顔が、順々に頭を駆け巡った。

――『じゃあさ、ほら。家着くまで、ここ持っといていいよ。そうすれば、雨月はひとりじゃないから』

最後に頭の中いっぱいに浮かんで、星屑のごとく砕けたのは、夜によく映える冬夜のきれいな笑顔。