夜風のような君に恋をした

夜が、こんこんと更けていく。

ようやくどちらからともなく体を離したとき、私たちは涙でボロボロの顔を見合わせ、今さらのように笑い合った。

「冬夜。そろそろ、帰ろうか?」

「……うん」

離れがたいとでもいうように、また私の肩口に頭を預ける冬夜。

「今日は私が送ってあげるから。だってほら、前に冬夜が家まで送ってくれたでしょ? 手を繋いで、家の近くまで送ってあげる」

すると冬夜は「俺、とことんまでかっこ悪いな」と困ったように言った。

だけどそろりと手を伸ばし、私の掌に触れてきたから、まんざらでもないのだろう。

彼の心の声に応えるように、私もその手を握り返した。

互いを支え合うようにして、立ち上がる。

そして私たちは、高架を下りて、夜の街を歩き出した。

冬夜にとっては、いつもの夜の世界。

そして私にとっては、五年前の夜の世界。