夜風のような君に恋をした

「冬夜が好き。冬夜のいない世界なんて嫌なの。だから生きて、死なないで。死にたがりでも、苦しくても、それでも生きて。私がいるから。絶対にひとりにしないから……!」

こんなに大声で喚いたのは、生まれて初めてだった。

心の声をそのまま叫んだのも、生まれて初めてだ。

そして――必死に誰かに追い縋って強く求めたのも。

冬夜は抵抗をやめたものの、こちらを振り返ろうとはしない。

肩を震わせ、ひどく悲しげな声で反論する。

「……でも、雨月だって、死にたがりだろ」

「私はもう、死にたがりじゃないの。冬夜がいてくれるなら、死にたいなんて思わない」

「………」

「冬夜はそのままでもいい。死にたがりでもいいの。死にたがりの冬夜のまま、私が全部受け止めてあげる」

たとえばそう、夜に咲く花に、少しずつ水をあげるように。

あなたの心の拠りどころになりたい。

こんな強い自分が、死にたがりの心の奥に眠っていたなんて知らなかった。