夜風のような君に恋をした

――ああ。

冬夜の絶望が、真っすぐ心に降ってきた。

「生まれて来なければよかった……」

まるで溢れる泉のように、冬夜の瞳から流れてやまない涙。

これでもかというほど、絶え間なく胸に落ちてくる、彼の悲しみ。

やがてそれは私の心を隙間なく埋め尽くし、奥深くに突き落とした。

のたうち回るほどの絶望が、全身を駆け巡る。

冬夜がこんなにも悲しんでるのがつらい。

生まれて来なければよかったと思わせた世の中が憎い。

以前の私なら、彼の死に共感していただろう。

どんな生ぬるい前向きな言葉も、死にたがりの前ではスカスカの意味を持たない言葉になり果ててしまうことを、わかっているから。

人間は絶望に捕らわれてしまえば、もう逃げ場がない。

視線の先に見えるのは、果てのない闇だけ――。