夜風のような君に恋をした

遠目から見たら見間違うほど、やっぱり宵くんは冬夜によく似ていた。

背丈や体型が、私の知っている彼そのものなのだ。

だけど近くで見ると、冬夜ではないのがよくわかった。

冬夜は一重だったけど、宵くんは奥二重で、唇が冬夜よりも少し厚い。

何よりもその瞳の輝きが、まるで違った。

冬夜は底の見えない深い闇色の目をしたけど、宵くんの目はどこまでも澄んでいる。

「あの、急に無理を言って呼び出して、ごめんなさい」

「いえ、僕も兄のことが知りたかったので大丈夫です」

そう答えた彼は、裏表のなさそうな屈託のない笑みを私に向けてきた。

「僕、あなたのこと知ってます」

「え? そうなんですか……?」

思いがけない宵くんの発言に、目を瞠った。

「朝、同じ電車に乗ってますよね? 前にあの子かわいいって、前田が言ってたから」