急な話を宵くんが受け入れてくれるか不安だったけど、意外にもふたつ返事でいいよと返事がもらえた。
放課後、芽衣と一緒に、K高がある駅前の公園に向かう。
パンダとトラの乗り物以外遊具らしきものの見当たらないその小さな公園は、青々とした葉が生い茂る藤棚が大半を占めていた。藤棚の下にはベンチが三つ並んでいる。
藤の咲く頃には、きれいな紫の天井に覆われるのだろう。
ベンチのひとつに、宵くんらしき人がすでに座っていた。
うつむき加減にスマホに視線を落としている彼は、水色の長袖シャツにボーダーのネクタイの、見慣れたK高の制服を着ている。
「市ヶ谷くん」
芽衣の声で、彼が顔を上げる。
冬夜とは違う真ん中分けの黒い前髪がサラリと揺れて、黒い瞳がこちらに向けられた。
「いつも話してる、友達の雨月ちゃん。雨月ちゃん、この人が市ヶ谷くん」
芽衣の紹介の声に頷くと、宵くんは私に向けてぺこりと頭を下げた。
私も、慌てて会釈を返す。
「座ろう、雨月ちゃん」
「うん」
じっと、私の様子をうかがっている宵くん。
放課後、芽衣と一緒に、K高がある駅前の公園に向かう。
パンダとトラの乗り物以外遊具らしきものの見当たらないその小さな公園は、青々とした葉が生い茂る藤棚が大半を占めていた。藤棚の下にはベンチが三つ並んでいる。
藤の咲く頃には、きれいな紫の天井に覆われるのだろう。
ベンチのひとつに、宵くんらしき人がすでに座っていた。
うつむき加減にスマホに視線を落としている彼は、水色の長袖シャツにボーダーのネクタイの、見慣れたK高の制服を着ている。
「市ヶ谷くん」
芽衣の声で、彼が顔を上げる。
冬夜とは違う真ん中分けの黒い前髪がサラリと揺れて、黒い瞳がこちらに向けられた。
「いつも話してる、友達の雨月ちゃん。雨月ちゃん、この人が市ヶ谷くん」
芽衣の紹介の声に頷くと、宵くんは私に向けてぺこりと頭を下げた。
私も、慌てて会釈を返す。
「座ろう、雨月ちゃん」
「うん」
じっと、私の様子をうかがっている宵くん。



