夜風のような君に恋をした

かわいいものとK-POPが好きな芽衣と、そんなものに興味のない私は、はっきり言って合っていない。

スキンシップの多い彼女のノリにはついていけないし、話しているとぐったり疲れる。

だけどひとりになりたくないから、私はいつも無理をして芽衣のノリや話題に合わせていた。

勉強はできても、友達がいないと、きっとお母さんが悲しむから。

「夏休みどうだった? 雨月ちゃんのことだからずっと勉強してたんでしょ?」

「ううん、そうでもないよ。芽衣はどうだった?」

「えーと」

すると芽衣は急にしおらしくなり、恥ずかしそうにうつむいた。

「ん? どうかした?」

「その。なんだか言いにくいんだけど……。あのね、私、彼氏ができたの」

「ええ、すごい。おめでと!」

正直どうでもいいけど、友達に彼氏ができたときはこういう反応をしないといけないことくらいは知っている。

周りにいた生徒たちが、ビクッと肩を揺らして、こちらに聞き耳を立てていた。

「どこで知り合ったの?」

「えと、中学のとき塾が一緒だったの。ずっと好きで、思い切って告白したら『いいよ』って言ってくれて……へへっ」 

照れを隠すように笑いつつも、うれしそうに答える芽衣。

「そっかあ。今度じっくり話聞かせてね」

「うん、うれしい! そうだ、今度前に言ってたカフェ行こ」

「いいよ」